風俗の基礎知識

スカウト会社の活動内容と暴力団・警察との関わり

風俗店と関係が深い会社のひとつにスカウト会社があります。スカウト会社にはスカウトマンが在籍しており、街中の女性を風俗店に紹介しています。風俗店はホームページなどで女性の求人を出していますが、スカウトマンからの紹介も大切にしています。

スカウト行為は法律で完全に禁止されており、スカウト会社が行っていることの大部分は違法行為です。ここではスカウト会社の活動内容や暴力団との関わり、スカウトマンの仕事について紹介します。

暴力団に上納金を支払うことで活動許可が出る

スカウト行為は「迷惑防止条例」という条例により禁止されています。迷惑防止条例は何度か改正が繰り返されており、2004年と2008年にスカウト行為に関する項目が追加されました。

2004年の改正では「スカウト行為の禁止」という文言が追加され、2008年は「女性へのつきまとい」「進行方向への立ちふさがり」「キャバクラなどへの仕事斡旋」というスカウトマンが行う具体的な禁止項目が加わりました。

こうしたことから、事実上スカウト会社は活動できなくなっています。しかし、風俗店からの「女性を紹介してほしい」という需要がなくなることはなく、現在もスカウト会社は違法行為であることを理解しながら活動を続けています。

スカウト会社の経営者はやくざや暴走族・ホスト出身の方が多く、暴力団と深い関係があることが多いです。そのため、暴力団に上納金を支払うことで活動の許可を暴力団からもらっています。上納金は20~50万円が相場となっています。

違法の中でのスカウト活動

スカウト行為は、東京の歌舞伎町などの有名歓楽街で行われています。スカウトマンは自由に活動して良いわけではなく、スカウト会社に割り当てられた縄張りの中で活動することができます。そして、それぞれの縄張りはそれぞれ違う暴力団組織によって管理されています。

スカウトマンが自分の縄張りでない場所で活動していると、やくざに見つかり次第、事務所などに連れていかれます。そして、金銭を支払うように命じられます。やくざは常に街を見回っており、ルール違反をしているスカウトマンがいないか確認しています。

スカウトマンをしている男性は不良やヤンキー・ホスト・暴走族などの方が多く、ほかのスカウトマンと喧嘩になることは多いです。店で働く女性の、他店への引き抜きなどが主なトラブルです。

まずは個人同士で争いになり、収拾がつかなければスカウトマンが所属する組織同士での話し合いになります。多くの場合、力関係が弱い立場の組織が謝ることになります。

スカウトマンが逮捕されるケースは多い

迷惑防止条例でスカウト行為が禁止となってから、警察は常にスカウト行為に目を光らせています。スカウトマンを見つけ出すために行われるのが、女性の私服警官によるおとり捜査です。「女性警官が一般女性を装い、スカウト行為を誘うことでスカウトマンを逮捕する方法」です。

具体的に行われることとしては、まずスカウトマンが私服警官と知らずに女性に声をかけます。そして私服警官が「お店を探しているんだけど……」と誘うように話題を振り、「店なら紹介できるよ」とスカウトマンが返答した時点で逮捕となります。ときには警察でスカウト取り締まりの強化月間があり、より厳しくスカウト行為の捜査が行われます。

逮捕されたスカウトマンは、初犯の場合は30万円ほどの罰金ですむ場合があります。しかし、次回からは逮捕となるケースが多いです。ただ、一度逮捕されたスカウトマンは行っていることに危険を感じ、その時点で仕事を辞める方が多いです。

またスカウトマンの仕事は、女性を風俗店に紹介すると収入に結びつく「完全出来高制(成果報酬)」で成り立っています。「警察の摘発の目を逃れ、暴力団と関わりを持ちながら仕事をするにしては割に合わない」と感じる方は多く、長く活動する人は非常に少なくなっています。

スカウトマンの仕事内容と収入の仕組み

風俗店で働く女性を店に紹介するスカウトマンは、現在厳しい法規制によって取り締まられています。

しかし、一部の人は現在も生き残り、仕事を続けています。特に有名歓楽街では多くのスカウトマンが女性に声をかけ、風俗の仕事への勧誘を行っています。

スカウトマンの仕事内容

スカウトマンは日々女性と接することができるため、華やかなイメージを持つ人がいるかもしれません。しかし、実際の仕事内容は非常に大変なものです。

スカウトマンの役割は「女性を風俗店に紹介し、入店させること」です。ただ、それに加えて「女性の管理」をするのもスカウトマンの役割です。女性が入店したら終わりではなく、風俗嬢の仕事や心構えを教えるのもスカウトマンの仕事です。

スカウトマンは路上でさまざまな女性に声をかけます。美人な女性だけでなく、いわゆるブスな女性に対しても積極的に声をかけます。どんな女性でも需要はあると考え、とにかく多くの女性に声をかけてチャンスを作るのです。

スカウトマンは1日中街に出て、女性に声をかけ続けることがあります。気候的に過ごしやすい季節は良いですが、夏や冬などの時期では肉体的にも大変な仕事です。

また、日常の私生活中においてもスカウトの仕事を続けます。さまざまな出会いの方法を駆使して、女性との接点を作ります。友人に女性を紹介してもらったり、合コンやパーティなどに参加したり、SNSを利用したりして女性と出会います。

ただ、女性と出会っても最初から風俗店の仕事の話をしていては断られることがほとんどです。そのため、スカウトマンはまず女性と仲良くなり、その後に風俗の仕事の提案を行います。女性を入店までこぎつける話術も磨いているのです。

そして風俗で仕事をしたい女性を見つけたら、「店の需要」に合った女性の斡旋を店に対して行います。「どの風俗店にどのような需要があるのか」をスカウトマンは事前に把握しており、それに合わせて店に紹介する女性を決めるのです。女性と風俗店、双方が納得のいくマッチングを実現させるのがスカウトマンの役割です。

入店後の管理では強引な行為もある

女性が入店すると、前述のようにスカウトマンは女性の管理を行います。風俗の仕事は肉体的・精神的に負担が多い仕事です。そのため、女性が店で働き続けられるように心のケアや状態などの管理をするのです。

スカウトマンがここまで行う理由は、「女性が風俗店で働き続けることが、スカウトマンの収入にも影響するため」です。紹介した女性が風俗店で仕事を続ける間、スカウトマンはバックマージン(紹介手数料)を受け取ることができます。女性の管理を行うことで店で働き続けてくれれば、スカウトマンにもメリットがあるため、このような管理に関する仕事まで行っています。

ただ、管理やケアとして行われることの中には、強引な行為もあります。だまし・脅し・強制などの行為で女性を風俗店に残らせようとするスカウトマンは非常に多いです。

もともとスカウトマンになる男性は不良や暴走族など、暴力を振舞う方が多くいます。スカウトマンとしての仕事でも、このような行為が行われているのです。

また、ときにはスカウトマンは女性と疑似恋愛を装うことがあります。女性と恋人のような関係になり、男性の言うことを聞いてもらえるようにして、風俗店で仕事をさせ続けます。

このように強引な仕事をするスカウトマンが多いですが、中には良心的なスカウトマンもいます。女性に対して親身になり、誠実に仕事を行う方も少数ながら存在します。

スカウトマンの収入は完全出来高制

スカウトマンの収入は完全出来高制です。女性を店に紹介できなければスカウトマンの収入はゼロです。そのため、仕事を始めたばかりのスカウトマンは収入があまり多くありません。

スカウトマンへのマージンは女性が得た月収の10~15%が相場です。これを「スカウトバック」と呼ぶことがあります。ただ、スカウトバックとして得た収入のうち、半分はスカウトマンが所属しているスカウト会社に支払う必要があります。

たとえば、月収50万円の風俗嬢10人を入店させているスカウトマンがいるとします。スカウトバックの割合は15%とします。この場合のスカウトバックは、「50万円×10人×15%=75万円」です。この半分がスカウトマンの収入になるため、37.5万円が実際の収入となります。

スカウトマンの仕事は大変ですが、収入を伸ばすためには多くの女性を風俗店に入店させて、それを継続することが必要になります。

スカウトマンの仕事は違法な行為で、警察に逮捕される可能性があります。さらに、収入は簡単に伸ばせるものではないため、仕事を始めるには相当な覚悟が必要です。

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