売春

貧困地域に根付く、「援デリ」の伝統:援助交際デリバリー

日本の経済力は他の国々と比べても、とても高いことで知られています。ただし、それに伴った格差というものは極めて大きな問題となっています。

確かに日本全体で見た場合、海外のようなスラム街はほとんど存在しないかのように見えます。ただし、日本であっても確実にスラムと同様の地域は残っています。

具体的な地名を上げるのは、名誉のため避けることにしますが、ある首都圏の地域では貧困率が極めて高く、治安も劣悪な状況にあります。特に、ある団地を中心とした区域には、貧困にさいなまれた人々が多く住んでおり、およそ日本とは思えぬ光景が広がっているのです。

こうした地域のある学校では、「援デリ」という風習が根付いています。援デリについては後ほど説明しますが、この風習は貧しい地域を、より貧しく不健全なものにしてしまいます。

援デリとは

この貧しい地域の中学校で、ほとんど伝統のように行われているのが援デリという売春方法です。援デリとは「援助交際デリバリー」の略で、その名の通り援助交際の派遣を指します。

援デリでは、「打ち子」と呼ばれる元締めが存在し、出会い系サイトなどで援助交際を希望するメッセージなどを男性利用者へと送りつけます。

その時点で、男性がOKの意向であれば、打ち子は自分の配下の少女のうちひとりを男性へと派遣します。最終的に少女が売春によって稼いだ金銭は、打ち子と少女によって山分けされるのです。

これが援デリの概要ですが、これを中学生が行っています。

援デリにおける打ち子は、基本的に学校の3年生の生徒や、学外の先輩グループが行います。そして、実際に売春を行うために派遣されるのは、1~2年生の女子生徒です。

学校ですから1年単位で生徒は新陳代謝していきますが、援デリの伝統は消えることはありません。いままで売春を実践していた下級生が上級生となり、新たな打ち子となるからです。

もちろん、そのサイクルから離れたいと考えている下級生がいないことはありません。ただし、打ち子の背後には、強力な脅しがあることが多いといいます。

最も一般的なのが、「打ち子の付き合っている彼氏がヤクザである」という噂を流すことです。実際に交際していなくとも、少女たちが援デリの環から離脱することに対する、強烈な抑止力となるのです。

援デリの悪影響

援デリは、聞くだけでも恐ろしい風習です。もちろん、それによって引き起こされる弊害もあります。

そもそも、中学1年生の女子生徒に売春を強要させるということは、あってはならないことです。また、買春する男性の素性も不明であるため、大事件につながりかねません。もっとも地元にとっては、治安がより悪化し、より深い貧困のスパイラルに陥ってしまうという点についても問題視しているようです。

しかしそれ以上に、売春をした女子生徒と打ち子との主従関係が、精神的な悪影響を及ぼしているとも考えられます。援デリをするためには、多くの売春要員が必要です。一方で、打ち子は管理すればいいだけなので、多くの人員を要しません。

そうなってくると、いつまでたっても打ち子になれず、ずっと売春要員のまま学校を卒業してしまう女子生徒の方が多くなってしまいます。

この時すでに、「支配する側」と「搾取される側」とに分かれてしまっているのです。

搾取される側から離れられなかったほとんどの女子生徒は、こうしたみじめな体験を一生引きずることでしょう。もっとも、打ち子になることができたからといって、成功体験につながるとは考えられません。

ただ、ずっと搾取されるだけの中学時代を送ったか、曲がりなりにも支配する側に立てた中学時代を送ったかで、考え方も変わるはずです。

あまりにも現実離れした風習ですが、これは今でも残っているものです。

援助交際デリバリーの仕組みと特徴・料金相場

利用者側にとってみれば、援デリでは援助交際相手を自分で見つけなくて良いため、素人女性とのプレイをデリヘルのように手軽に楽しめるのが特徴です。

しかし、援デリは暴力団が関係していることが多く、一般的な風俗店とは異なる面があります。

援デリは暴力団が関係する違法なサービス

先ほどは学校での例を紹介しましたが、実際の援デリは暴力団が関係していることが非常に多いです。援助交際をしたい男性は相手となる女性を見つけるのに時間がかかります。また、援助交際をしたい女性も「相手となる男性を手間なく見つけたい」という気持ちがあります。この仲介役となるのが暴力団です。

援助交際はインターネットの掲示板などで取引されることが多いです。援助交際は売春行為にあたるため、売春防止法違反の行為です。暴力団は「危険なときの後ろ盾になる」といって女性に介入し、そのような女性の囲い込みを行います。女性をまとめる暴力団の組員は前述の通り「打ち子」と呼ばれ、リーダーとして援デリビジネスを管理します。

打ち子は女性に代わってインターネットの掲示板で男性とやり取りし、援デリサービスを提供する話をまとめます。利益は打ち子(暴力団側)と女性での折半となるのが一般的です。

たとえば2万5千円を男性が支払うことで話がまとまった場合、半分の12,500円は打ち子の取り分、残り半分の12,500円が女性の取り分となります。

男性にとっては援デリを利用することで自分から直接女性に援助交際の話を持ちかける必要がなく、手軽に素人女性とのプレイを楽しめます。女性にとっては男性1人あたりの利益は減りますが、男性からストーカー行為や強引なプレイなどがある場合に、暴力団に助けてもらうことができます。仲介役の暴力団は仲介手数料を得ることができ、男性客・暴力団・女性の3者にメリットがあります。

ビジネスの仕組みとしては成り立っていますが、売春行為が大きく関係している以上、援デリは違法な商売です。

援デリ業者も暴力団が支配

援デリは暴力団だけでなく、会社が行うことがあります。通称「援デリ業者」と呼ばれています。援デリ業者は組織として援デリを行っていますが、暴力団が「援デリ狩り」と呼ばれる活動を行っています。

援デリ狩りでは、援デリが違法なビジネスであることを理由に暴力団が業者に介入し、暴力団の組織の傘下に入るように命じます。そして、「援デリ業者の利益の一部を上納金として収めさせる」という仕組みです。

こうして暴力団の支配下におかれた援デリ業者は、個人的に援助交際を行っている女性に対して「援交狩り」と呼ばれる行為を行います。「援交狩り」では「どこから許可を得ているのか」、「個人情報は確認している。両親に援助交際をばらす」などの脅迫により、女性を囲い込みます。

援デリビジネスは暴力団をトップとしてその下に援デリ業者、さらに援助交際をする女性と続く、ピラミッド構造になっているのです。

援デリの料金相場

援デリを利用する場合の料金相場は、基本的に年齢で決まっています。

10代~20代前半の女性は最も料金が高く、コンドームなしの本番行為(セックス)は1万5千円~5万円、コンドームありの本番は1~3万円が相場となっています。

また、20代後半~30代前半の女性はコンドームなしの本番で1~3万円、コンドームありの本番は1~2万円です。さらに、30~40代の女性はコンドームなしの本番で1万円~2万5千円、コンドームありの本番は8,000円~1万5千円です。

援デリはもともと違法な行為のため、未成年女性とプレイできる場合があります。未成年の下限の年齢には際限がなく、小学6年生の女性がプレイをすることさえあります。

こうした場合はプレミア料金となることが多く、なかには10万円などの高額な料金となることもあります。

「大規模な援デリ」が行われることもある

援デリは多くの場合、暴力団が行っています。そしてときには「大規模な援デリ」が行われることがあります。このような場合、暴力団は寮を設置して、チームを組んで援デリを行います。

都市部では「援助交際を行っている、不良の女子中学生」や「両親と喧嘩して家出した女子中学生」を見つけることができます。暴力団の打ち子はこのような少女に声をかけて、「一緒に援デリをしないか」と誘います。

このように誘われたとき、少女は応じることが多いです。打ち子は少女に「もし提案を断るなら、警察に援助交際をしていた事実を通報する」のように伝えて、強引に援デリへ勧誘します。少女は警察に通報されることを恐れて、打ち子の提案に応じるのです。

また、不良少女や家出少女は「人生は嫌なことばかりだ」のように、自暴自棄に陥っていることがよくあります。そのため「援デリを手伝ってくれれば、たくさん稼げるよ」と打ち子が誘うと、少女は積極的に「援デリを始めたい」と考えることがあります。

大規模な援デリの計画

大規模な援デリは、最初に「計画」を立ててから行われます。このような援デリを実施する前には、最初に少女が数十人ほど集められます。そして少女を集めた段階で、「援デリの実施日時」が決められます。

大規模な援デリは、関与する少女や暴力団員の人数が多いです。援デリを実施するためには、少女は男性客とラブホテルに向かう必要があり、打ち子は「少女の取りまとめ・管理業務」を行わなければなりません。

少女や暴力団の男性が特定の地域で頻繁に活動していると、非常に目立ちます。すると少女や暴力団員は、警察に検挙されやすくなってしまいます。

そのため規模が大きな援デリは「売春を実施する期間を決めて、その期間でまとめて利益を上げる」という方針で行われます。

大規模援デリは、「7~8月」に行われる傾向にあります。この期間は中学校が「夏休み」であり、昼間に少女が歩いていたとしても補導されることがないためです。

不良少女や家出少女は、中学校を休んでいることが多いです。しかし長期休み以外の時期に少女が昼間に出歩いていると、警察に補導される可能性が高いです。そのため上記のように援デリは、夏休みや冬休みを狙って行われるのです。

また、買春をする男性客と少女は一緒に歩いているときに、「男性は少女の家族である」という建前を用意しておきます。このように考えておくことで、万が一警察と出会ったときにも言い訳しやすくなります。

暴力団は援デリが「儲かる商売」であることを理解しています。しかし警察に摘発されることを防ぐため、上記のように「少女が夏休みの間に援デリで利益を得て、9月に入ったら摘発されないように終了しよう」と考えるのです。

大規模援デリの実施内容

打ち子が集めた数十人の少女たちは援デリを始める際に、「」へ入ることになります。

暴力団によっては「外国人留学生などを対象にした寮」を運営していることがあります。しかし留学生は長期休暇を利用して帰郷することが多く、その期間中、寮の部屋は「空き部屋」になることがあります。このような状況の部屋を確保して、暴力団は不良少女・家出少女を入寮させるのです。

寮の部屋は狭いことが多いです。しかし打ち子は複数人の少女をひとつの部屋に入らせて、共同生活をさせます。外国人留学生向けの寮は古い建物である場合が多く、夏休み期間である7月や8月は、非常に暑くなることが多いです。少女たちはこのような環境の中で、援デリをさせられるのです。

大規模援デリでは、売春の実施前に「マニュアル」が作成されることが多いです。マニュアルには少女に対するさまざまなルールが記載されており、援デリ活動をする少女に配布されます。

マニュアルで決められている規則の例として、「チーム内の少女と喧嘩をしない」「リーダーの指示に従う」「補導される原因になるため、たばこを吸わない」「店で万引きをしない」「援デリ期間中、ドラッグを使用しない」などがあります。

大人の立場から考えるとごく基本的なことであっても、中学生の少女にはきちんと明文化して伝える必要があります。少女は好奇心や感情の高まりを抑えられなくなり、突発的な行動をとってしまうことがあるのです。

大規模援デリは、男性客とセックスをする「少女」、各チームに分かれた少女の取りまとめを行う「リーダー(打ち子が担当する)」、各地域に存在する寮の監視やリーダーの管理をする「エリア長」のように担当が分かれます。暴力団であっても一般企業と同じように、役割分担をしてプロジェクトが遂行されるのです。

大規模援デリの1日

このように準備された援デリチームは夏休みなどの「長期休み」に入ると、本格的に活動を開始します。

寮で生活している少女は消灯時間が決められており、朝も起床時間が決められています。集団生活であるため、誰かが起きれば他の少女も起床します。そして少女は「リーダーの打ち子が用意した車」に乗り込み、売春活動を始めます。

援デリを行う少女の多くは、補導された経験があります。髪の毛をいわゆる「茶髪」に染めて、ピアスを身に付けたり、タトゥー(刺青:いれずみ)を入れたりしていた人がたくさんいます。ただ、このような少女は援デリを行う際に、「一般的な服装の、目立たない少女」を装います。

少女たちは髪を黒色に染めて、ピアスなどのアクセサリーを身につけないように注意します。タトゥーはメイクによって、目立たないように隠すことができます。

そして服装に関しても「街で見かける一般的な少女」を真似て、「Tシャツにジーンズ」のような服を着ます。このような対策を講じることで、不良少女・家出少女は「普通の女子中学生」に見えるようになるのです。

このようなアイデアは、打ち子だけで思いつくことができません。少女たちが打ち子に協力することで、「援デリを行う際の服装ルール」が作られているのです。

ただ、少女によっては「自分なりのファッションを楽しみたい」と考えて、ひそかにピアスを身に付けたり、メイクをせずにタトゥーを見せたりすることがあります。しかしこのような少女は打ち子や他の少女に違反が見つかった時点で注意され、場合によってはチームから外されてしまうこともあります。

リーダーである打ち子は車に少女を乗せると、「郊外のラブホテルが建ち並ぶ地域」に向かいます。東京などの都市部では、警察による通称「援デリ狩り」という摘発活動が強化されています。暴力団は援デリにおいて、「売春」と「女子中学生にセックスをさせる」という2つの違法行為を実施します。そのため摘発される可能性は非常に高く、警察を避けるために郊外へ向かうのです。

また、打ち子は少女を乗せた車を1日の中で定期的に移動させて、人目につくことを逃れています。ラブホテルへ少女を向かわせる際にはホテル付近に車を駐車せず、少し離れた場所に少女を下ろして待ち合わせ場所へ向かわせます。このように注意を払うことで、援デリ用の車に不信感を抱かれる危険性が小さくなるのです。

少女は場合によって、ラブホテルへ向かうまでに長い距離を歩くことがあります。夏休みの時期は非常に暑く、少女にとって長距離を歩くことは大変です。しかし打ち子は「ダイエットできるぞ」と伝えて、少女を歩かせるのです。

ちなみに援デリ業者は、どこでも援デリを行って良いわけではありません。援デリ業者はひとつではなく、業者間で「活動範囲」の取り決めが交わされています。いわゆる「他業者の縄張り」で援デリを行ってしまうと「ルール違反」となり、場合によっては違反をした援デリ業者の責任者が呼び出されてしまいます。

援デリ業者は男性客を選んでいる

一般的にサービスの利用客は、「選ぶ権利」をもっています。ただ、暴力団が運営する援デリの場合、暴力団員が男性客を選ぶことがあります。暴力団員は「面談」という形式で、援デリを利用したい男性を確認します。面談を行う理由は、「警察に通報されることを避けるため」です。

男性によっては警察に見つかってしまったときに、「援デリ業者から売買春を提案された」と告げ口をしてしまうことがあります。また、少女とのセックスに満足できなかった場合に、男性客が援デリ業者を警察に通報してしまうこともあります。

援デリ事業に関わる暴力団員は、さまざまな男性客を見てきています。そのため男性と面談をすることで、「男性が警察に通報せず、他言せずに利用してくれるかどうか」を見極めているのです。男性客の面談を行う暴力団員は、「男性客の様子」や「逮捕歴」「少女の買春をしたことがあるかどうか」などを確認します。

大規模援デリではこのような面談を通過して「会員」になれた男性のみが、少女とのエッチを楽しむことができるのです。面談を実施することで暴力団員にとっては「警察の摘発リスクを避けられる」というメリットがあり、会員である男性客には「定期的に女子中学生を紹介してもらえる」というメリットがあります。

一般的な援デリ業者はこのような面談を実施することなく、「少女とセックスをしたい」と考える男性客全員に少女を紹介することが多いです。しかし男性客がトラブルを起こして、業者は摘発されてしまうことがあるのです。

援デリを利用する男性客はさまざまで、昼間に仕事をしている男性もいますが、平日休みで昼間に退屈している人もいます。

ただ、会員である男性客の多くは、夜に援デリを利用する傾向にあります。そのため援デリ業者は、昼間に時間を持て余すことがあります。この場合は少女を車に乗せる「リーダー」が、「出会い系サイト」を利用して新たな男性客を見つけます。

リーダーである打ち子は携帯電話やスマホを使って出会い系サイトに「サクラ(一般女性を装う業者)」としてログインし、女性を装って男性に「勧誘メール」を送信します。その送信数は、1日数百通に上ることがあります。

一般的な援デリ業者が男性に送るメールは、出会い系サイトを利用する男性から「この女性はサクラだ」と気付かれることが多いです。しかし打ち子によっては「効果的なメールの送り方」を熟知しており、1日にたくさんの男性に「(打ち子が扮している女性と)会いたい」と思わせることができます。

このとき打ち子はメールの文面だけでなく、「サクラ女性のプロフィール」もこだわって作成しています。

出会い系サイトで男性に「この女性と会いたい」と思わせるために、打ち子はサクラ女性のプロフィールから「自然な雰囲気」が感じられるように演出しています。

打ち子はSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で一般女性のプロフィール画面を確認します。そしてそれを参考にサクラ女性のプロフィールを、一般女性と感じられるように仕上げるのです。

サクラ女性の「プロフィール画像」については、「SNSに登録している一般女性の写真」を無断利用することが多いです。サクラ女性のプロフィール画像として「露出の高い服を着た女性の写真」を掲載しても、すぐにサクラと見破られてしまうのです。

このように「送信するメールの文面」と「プロフィール」を自然に装うことで、打ち子は新規の男性客を開拓します。打ち子によっては「出会い系サイトを利用する男性は、早くセックスをしたいと考えている。きちんとサクラ女性のプロフィールを作り、メールの内容で『エッチ』を想像させることができれば、男性を誘い出すことは簡単だ」と考えているのです。

援デリをする少女たちの仕事

援デリをする少女はリーダーの打ち子が運転する車から降りたあと、男性客が待つラブホテルへ向かいます。男性客はセックスをする代わりに、少女へプレイ料金を支払います。

男性が支払った料金は、「暴力団」と「少女」で分配することになります。分配比率は場合によって異なりますが、暴力団と少女の取り分が「3:7」の割合で分けられる例があります。

例えば男性客がプレイ料金として5万円を支払った場合、暴力団の取り分は1万5千円、少女の取り分は3万5千円となります。暴力団員は少女の取り分を多く設定することで、「少女の援デリに対するモチベーションを保とう」と考えるのです。

少女は大規模援デリで、1週間で20万円以上もの収入を得ることがあります。つまり不良少女や家出少女は短期間での仕事とはいえ、ひと月で100万円前後の収入を得るのです。

一般的に「希少価値が高いサービス」であるほど、料金が高い傾向にあります。男性客が援デリで楽しむことができるサービスは「女子中学生とのセックス」です。

法律によって「成人男性が18歳未満の少女とセックスをすること」は禁止されており、「風俗店でセックスサービスを受けること」も違法です。そのため一般の風俗店は上記のようなサービスを提供しておらず、援デリ業者が提供するサービスは、非常に希少価値が高いのです。

そのため援デリは、料金が高い傾向にあります。「可愛い女子中学生とのセックス」の場合、プレイ料金が10~20万円にも上る場合があります。このように「客単価(男性客1人あたりが支払う料金)」が非常に高いため、少女は援デリで週に20万円ほども得ることができるのです。

ただ、少女にとって援デリは「楽に高収入を得られる仕事」ではありません。高額な料金を支払う男性客は、「高いお金をかけた分、少女とのセックスをしっかり楽しもう」と考えます。

援デリ業者は「1プレイの制限時間は2時間」と決めていることが多いです。男性客によってはこの時間内に2~3回射精をしたり、「SMプレイ」や「バイブなどのアダルトグッズを使った強引なプレイ」を行ったりすることがあります。少女はこのようなプレイを毎日繰り返すことになるため、体力的にも精神的にも疲れてしまうのです。

ただ、中には「要領の良い少女」もおり、このような少女は1回のプレイを数十分で終えることがあります。

援デリを利用する男性は、援デリ業者と「待ち合わせ場所」を決めて少女と会います。待ち合わせ場所で男性客と少女が出会ったら、2人でホテルへ入店します。

このとき「早くエッチを終わらせたい」と考えている少女は「(エッチを)我慢できない…」のように言いながら、ラブホテルのエスカレーター内で男性の股間を触り始めることがあります。このように刺激することで、男性を射精しやすいように導いておくのです。

そして少女はホテルへ入室すると同時に男性客のズボンとパンツを脱がせて、「我慢できないからフェラするね」と言って、勝手にプレイを始めてしまいます。

さらに男性が興奮してきたところで、少女は自分でペニスを挿入してセックスを始めます。このように行動することで少女はプレイ時間を短縮することがあり、場合によっては20~30分ほどでセックスを終えることがあります。

高いお金を支払って「少女とのセックスを楽しもう」と考えていた男性客は、少女にこのような対応をとられると怒ることがあります。また、怒りからお金を支払わない男性もいます。

ただ、少女は男性が怒りそうになった場合、「店から電話が来て、早く戻らないといけない」のように伝えてホテルの部屋を出ます。男性がお金を支払わない場合、少女は「警察にレイプされたと通報するよ」のように男性客へ伝えて、何としてでもお金を支払わせるのです。

大規模援デリにおいて少女たちは、暴力団が用意した「ワンボックスカー(5~6人など、多人数が乗車できる車)」に乗車することが多いです。朝は元気良く車に乗り込む少女であっても、夜に差し掛かると徐々に疲れてきて、苛立ちから周りの少女と喧嘩してしまうことがあります。

この場合はリーダーの打ち子が「お前ら! 誰に仕切られて仕事しているのか分かっているだろうな!」のように少女たちを怒鳴りつけて、喧嘩を静めることがあります。

少女たちに「連帯感」が生まれる

援デリ業者の車に乗っている少女たちは、ほとんど会話を交わすことがありません。しかし少しずつ場の空気が和んでくると、「男性客の悪口」が交わされることがあります。少女たちは「さっきの男性客はSMプレイを強要してきて、本当に大変だった」「男性の身体が汚くてすごく気持ち悪かった」のように、男性客をストレートに批判するのです。

このように会話を交わしていると、場合によっては少女たちに「連帯感」が生まれます。援デリをしようと考える不良少女や家出少女は、それぞれが何らかの事情を抱えています。

少女は悩みや不安を誰にも打ち明けることができず、非行に走ってしまったり、家出をしてしまったりしたケースが多いのです。

援デリの車に乗っている少女たちはお互いのことを理解すると、「自分の身の上話」を始めることがあります。

中学校の同級生に「両親が喧嘩ばかりしていて、私も父親に暴力を頻繁に振るわれた。耐えきれなくなって家出した」と少女が打ち明けても、理解してくれる人は少ないです。しかし援デリ少女たちはお互いに「私も似たようなことを経験してきたよ」と、共感や理解を示すのです。

夏休みの期間で行われる大規模援デリにおいて、最初は少女たちに連帯感がありません。しかし上記のような会話を交わすことで、少しずつ連帯感が生まれることがあります。そして少女たちは、「援デリ期間中は嫌な男性客がいるかもしれないけれど、頑張ろう。そして援デリが終わっても、仲間でいよう!」のように「強い絆」で結ばれることがあるのです。

このように自分を受け止めてくれる人たちと一緒に過ごすことで、少女によっては更生することさえあります。

援デリはあえて摘発されないことがある

援デリは上記のような仕組みで行われることがあります。警察はこのような援デリ業者を見つけると、前述した「援デリ狩り」として摘発することがあります。

東京や大阪などの都市部では援デリ業者が多く、援デリ狩りが積極的に行われています。そのため援デリ業者は都市部を避けて、「郊外」や「地方」で活動することが増えています。警察官は「援デリが行われていると思われるラブホテル街」で張り込みを行ったり、出会い系サイトで男性客を装い、援デリ業者を突き止めたりすることがあります。

しかし警察は場合によって、援デリ業者を摘発しない場合があります。これはいわゆる「おとり捜査」を行うためです。おとり捜査を実施する場合、警察が検挙したい相手は援デリ業者ではなく、「買春をする男性」です。援デリ業者は買春する男性をおびき寄せるために効果的であるため、警察はあえて業者を摘発しないことがあるのです。

警察は「買春をする男性」を捜査するために援デリ業者を利用しながらも、都合によって援デリ業者の摘発に方針を切り替えることがあります。援デリを行う暴力団の打ち子には、警察のこのような対応に不満をもつことがあります。

このように、援デリは暴力団が関係しており、違法な仕組みで運営されています。また、場合によっては少女の長期休みを利用して、大規模な援デリが短期間で行われることもあります。援デリは危険がありながらも、性的な欲求から利用する男性が多いサービスなのです。

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