売春を行う女性にはさまざまな人がいますが、年齢が高い女性である、いわゆる「熟女」は売春を行いやすい女性です。何歳から熟女であるかは明確に決められていませんが、大手企業マイナビのリサーチによると、「40歳以上の女性」を熟女と考える人が多いです。
「熟女がどのような理由で売春をするようになり、どのように売春を行っているのか」については、普段生活をしていると分からないことが多いです。そこでここでは、「熟女が売春をする理由と手段」「熟女が売春をする実態」について紹介します。
売春をする熟女が増えている背景
2000年代に入り、売春をする熟女は急増しています。
風俗業界においては1990年代まで、26歳以上の女性が熟女とみなされていました。しかし2000年代に入ってからは30代や40代の女性であっても、風俗店勤務を希望する人が増えました。さらに50代以上の女性でさえも風俗店で仕事をするケースが増えました。
このような状況から、熟女と見なされる年齢は2000年代に入ってから高くなっています。そのため冒頭で述べたように、熟女といわれる目安は「40代以降」となっています。
かつて「熟女や人妻を売りとする風俗店」は、マニアックなジャンルとしてあまり普及していませんでした。
しかし2000年代に入ると、こうした女性の風俗店勤務が増えたことから、「熟女風俗」や「人妻デリヘル」などの風俗店は急速に増えました。
風俗店の経営者たちは上記の店を経営するにあたり、「若い女性にはない、熟女がもつ妖艶さ」や「既婚の女性とエッチをすることによる、大きな興奮」などをメリットとして打ち出しました。そして、熟女や人妻の風俗店を活況に導いたのです。
ただ、上記の店で人気のある女性は「容姿が綺麗な女性」や「男性客に対して、明るく丁寧に接する女性」です。人は年齢を重ねると、容姿に衰えが生じやすいです。
女性によっては30代、40代と年齢を重ねるにつれて若い頃の魅力的な容姿を失い、いわゆる「ブサイクな容姿」に変化してしまう人がいます。
このように容姿が衰えた熟女は、手コキやフェラチオなどの「性的サービス」を行っても、収入を得ることが難しくなります。男性客は風俗店を利用するとき、「可愛い風俗嬢にエッチなプレイを行ってもらおう」と考えます。
男性客はブサイクな女性にフェラチオなどを行ってもらっても、興奮できないのです。
そこで熟女は、「セックスをサービスとして提供しよう」と考えます。つまり「ブサイクな容姿のマイナス面を、セックスサービスで補おう」と考えるのです。男性客によっては「少し容姿が衰えている女性であっても、セックスできるのであれば指名してみよう」と考えることがあります。
風俗店は風営法という法律を遵守する必要があります。風営法では本番行為(セックス)が禁止されており、「風俗店がセックスをサービスとして提供すること」は違法です。
しかしセックスサービスは男性客からの需要があるため、風俗店によってはひそかにセックスをサービスとして提供していることがあります。つまりこのような風俗店は、売春を行っているのです。
セックスを行える風俗店の主な例として「ソープランド(個室に浴槽やベッドが設置されている風俗店)」や「ちょんの間(4畳(約7.29m2)ほどの狭い部屋で、女性と20分ほどプレイできるサービス)」が挙げられます。熟女はこのような店で、売春を始めることがあるのです。
熟女が売春を始める理由
熟女が売春を始める理由は、人によってさまざまです。以下では、熟女が売春を始める理由として主なものを4つ紹介します。
夫の収入だけでは、生活を維持できない
2000年代以降に聞く機会が増えた言葉として「格差社会」があります。格差社会は、「低所得の『貧困層』と、所得が高い『富裕層』の差が広まっている社会」を指します。中間的な所得の人は減少傾向にあり、貧困層の人は「非常に貧しい状況」に陥っています。
最近は格差社会の影響から、さまざまな企業で収入が上がりにくくなっています。そのため男性が仕事をして得る収入だけでは、家族での生活を維持できないことがあります。
また、男性によっては仕事が上手くいかずに休んでしまったり、退職してしまったりする人がいます。このような男性は仕事をせずにギャンブルなどに熱中し、家計を圧迫してしまうことがあります。そこで妻が風俗店の仕事を始めて、家計のやり繰りをすることがあります。
ただ前述のように、熟女の場合は性的サービスの提供だけでは十分な収入を得られないことがあります。そのため中高年の女性は、売春をするようになります。
年齢を重ねても、風俗嬢として収入を得たい
「若い頃から風俗嬢として働き、年齢を重ねた女性」も、貧困に陥りやすいです。このような女性は「20代の頃は高収入であったけれど、徐々に風俗嬢としての収入が下がり、現在に至っている」ということが多いです。
風俗店の仕事を始める若い女性は、容姿が良い場合は比較的楽に高収入を得られることがあります。容姿を活かして明るく接していれば、男性客は自然とファンになってくれます。
そして、繰り返し指名してくれるようになります。このような男性がたくさん増えることで、女性は高収入を得られます。
ただ、女性の容姿が衰えてくると、男性客は他の若い風俗嬢に興味をもちやすくなります。そのため年齢を重ねた風俗嬢は、徐々に収入が下がります。20代のうちはある程度生活できる収入を得ることができても、30代以降になると生活が苦しくなってしまうのです。
また、風俗嬢によっては、将来についてあまり深く考えておらず、得たお金をすぐに買い物や飲食で使ってしまうことがあります。このような女性の場合、かつては高収入であっても貯蓄がなく、中高年になって貧しい生活に陥ってしまいます。そのため収入を得るために、セックスサービスを売りとする売春を始めるのです。
離婚した後に収入を得るため
1度結婚して離婚をした女性も、売春をすることがあります。
例えば「20代で結婚して、普段は家事とレジ打ちのパートをしていた女性」がいるとします。このような女性が30代に入ってから離婚した場合、正社員として働くことが難しい場合があります。
若い頃に結婚した中高年の女性は、「本来であれば20代で身に付けておくべきスキル」を身に付けていません。そして年齢も高くなっているため、会社が正社員として採用してくれないのです。
そのためこのような女性は、「派遣社員やパートで生活をやり繰りしよう」と考えます。しかし派遣やパートの仕事は収入が低く、十分な生活費を得られない場合があります。そして生活費に困った熟女は、売春を始めるようになるのです。
「シングルマザー」として生活するため
近年増えている「シングルマザー」も、貧困に陥りやすい女性です。シングルマザーとは、「離婚もしくは未婚で、子供がいる女性」を指します。上の項で挙げた離婚女性と異なる点は、「子供がいる」というところです。
離婚しても子供がいなければ、1人で生活を送ることができる女性は比較的多いです。しかし子供がいる場合、自分の生活費だけでなく「子供の食費や学費」なども必要になります。子供を成人まで育て上げるためには、たくさんのお金がかかります。そのため子供に費やすお金が生活を圧迫してしまい、女性は貧困に陥ることがあります。
女性によっては「子供の養育費」を、離婚した元配偶者から提供してもらえることがあります。しかしシングルマザーの女性全員が、養育費を受け取っているわけではありません。
中には「元旦那のDV(ドメスティックバイオレンス:家庭内暴力)から逃げ出して、養育費を受け取れない女性」や「元旦那が仕事をしておらず、養育費を支払ってもらえない女性」などがいます。
このようにシングルマザーの中には「自分と子供の生活費を得る必要がある女性」がいます。このような女性は「何とか収入を得たい」と考えて、売春を行うことがあるのです。
「セックスレス」の状況に陥っているため
多くの中高年女性は、生活に困って売春を始めます。しかし中には「旦那とのセックスレス」から、売春をする女性がいます。セックスレスとは「交際もしくは結婚しているカップルが、長期間セックスをしない状態」を指します。
結婚生活が長くなると、夫婦がお互いの存在に慣れてきます。すると結婚当初に感じていた「相手へのときめきや愛情」が薄れて、いわゆる「マンネリ化」に陥ってしまいやすくなります。
女性によっては「30歳や40歳を過ぎても、エッチをしたい」と考えることがあります。しかし旦那が「妻の容姿が衰えていて、興奮できない」と考えて、セックスを拒むことがあります。
このような女性は性欲を抑えられなくなり、売春や不倫をするようになります。旦那が満たしてくれない性欲を、他の男性とのセックスで満たそうとするのです。
熟女が売春を行う手段
熟女は上記のような理由から、売春をしようと考えることがあります。ただ、売春は違法であり、どこでもできる行為ではありません。以下では、「どのような手段で中高年の女性が売春をするのか」について紹介します。
「ソープランド」や「ちょんの間」などの風俗店
風俗嬢として以前から働いていた女性の場合は、「ソープランド」や「ちょんの間」で売春をすることがあります。このような女性は売春を行える店を知人から紹介してもらったり、以前から売春を行える店について知っていたりすることが多いです。
「どのような店に行けば売春できるのか分からない」と考えている女性は、最初にピンサロなどの「一般的な風俗店の求人」に応募することがあります。
そして店のスタッフから「セックスをサービスとして提供するのであれば、ソープランドで働くと良い」のように紹介されて、売春できる店を知ることがあります。
「吉原(東京)」や「鶯谷(うぐいすだに:東京)」、「飛田新地(とびたしんち:大阪)」などは、売春が行われている風俗店が多い地域として有名です。
吉原はソープランドがたくさん建ち並んでいる「ソープ街」として知られています。吉原のソープランドでは「ソープ嬢(ソープランドで働く女性スタッフ)と男性客の自由恋愛」という建前のもと、売春が行われています。
ただ、吉原のソープランドはいわゆる「高級店」が多く、容姿の良い女性でないと勤務することが難しいです。そのため熟女の場合、勤務できる女性は限られています。
吉原のソープ嬢(ソープランドで働く女性スタッフ)が年齢を重ねて、他の地域で売春をするようになることもあります。
鴬谷は無店舗型の「熟女デリヘル」や「人妻デリヘル」が人気となっています。男性客はデリヘル店が提携しているラブホテルへ向かい、熟女や人妻とのセックスを楽しむことができます。
一般的なデリヘルはセックスサービスを提供していません。ただ、鶯谷の熟女・人妻デリヘルに勤務する女性とは、セックスを行える場合がほとんどです。
鶯谷のデリヘル店は建前上、「セックスをサービスとして提供していない。もしセックスが行われたとしても女性が自分の意思で行ったことであり、店は関与していない」とうたっています。
しかし料金は「60分で2万円」のように高めの設定となっており、「セックスサービスを含めた料金設定」であることがうかがえます。
デリヘル嬢(デリヘルで勤務する女性スタッフ)が売春を行うと、その女性が勤務するデリヘル店は、警察に摘発される可能性があります。
しかし鶯谷はデリヘル店がなくなると、周辺のラブホテルも経営が立ち行かなくなります。また、鶯谷は飲食店やスーパーなどの、一般的な店が少ない傾向にあります。
そのため警察は鶯谷のゴーストタウン化を避けるために、本番サービス(セックス)を提供するデリヘル店を摘発せず、黙認しています。
飛田新地は全国の中でも「質の高い風俗嬢が集まる場所」として知られています。飛田新地には20代前半の若い女性とセックスできる店が並ぶ「青春通り」と、熟女とセックスできる店が並ぶ「妖怪通り」という2種類の通りがあります。中高年の女性は売春するために、妖怪通りにある店で勤務します。
飛田新地で営業している風俗店は「飛田新地料理組合」に加盟して営業許可を得ています。この団体の名称から分かる通り、飛田新地の風俗店は「料亭」として営業されており、「店の女性スタッフと男性客が自由恋愛に発展した」という建前で警察からの摘発を逃れています。
飛田新地には美女や可愛い女性とのセックスを求めて、全国からたくさんの男性客が訪れます。妖怪通りの風俗店は青春通りで営業している店に比べると、あまり賑わっていません。
吉原や鶯谷、飛田新地以外にも、全国の歓楽街に売春を行っている風俗店は存在します。熟女はこのような風俗店を紹介してもらい、勤務することがあるのです。
電話から直接の出会いに発展する「テレクラ」
中高年の女性は「テレクラ(テレフォンクラブ)」で、売春相手を見つけることがあります。テレクラは「男性客が女性と電話での会話を楽しめるサービス」です。
テレクラは1980年代から店舗が拡大して、1990年代に流行しました。中高年の女性によっては「テレクラが流行していた時代」を知っていることあります。このような女性は売春をするために、テレクラを利用することがあります。
テレクラでは男性客が店舗に向かい、女性からの電話を待ちます。男性客は電話に出ると、女性と雑談やエッチな会話に加えて、「テレフォンセックス(電話でエッチな会話を交わして、オナニーをするプレイ)」を楽しむことができます。また、女性と仲が深まった場合には直接会う約束を交わして、デートやホテルでのエッチを楽しめることがあります。
「売春をしたい」と考える女性はテレクラに電話をかけて、売春相手となる男性を探します。売春を定期的に行っている女性は、電話がつながった男性客に対して「割り切りできるよ。ホ別1(ほべついち)でどう?」のように提案することがあります。
「割り切り」は「割り切った付き合い」の意味、つまり売春を指します。「ホ別1」は「ホテル代とは別に1万円」を指します。また、「ホ別苺(ほべついちご)」は「ホテル代とは別に1万5千円」を指します。
男性客は電話での会話を通じて、女性の「話し方」や「声のトーン」を確認します。そして、「どのような女性であるか」を想像します。男性客は「通話相手の女性とセックスをしたい」と思ったら、女性と会う約束を交わします。
ただ、中高年の女性は前述のように、容姿が衰えていることが多いです。そのため男性は女性と実際に会ったとき、がっかりして逃げてしまうことがあります。
このように、テレクラでは売買春が行われることがあります。テレクラの店舗はあくまでも、「電話で男女が会話を楽しめるサービス」として運営されています。
「男女が直接会ってセックスをすることに、店は関与していない」という建前で、テレクラは警察による摘発を逃れています。
ネットを通じて男性と出会う「出会い系サイト」
「出会い系サイト」も、熟女が売春をするために利用することがあります。出会い系サイトは「インターネット上で男女がメールを交わすことにより、直接出会うことができるサービス」です。
出会い系サイトを男女が利用する場合、まずは興味をもった異性にメールを送ります。そしてメールのやり取りを交わして関係を深めて、直接の出会いに発展する、という流れが基本です。
ただ、売春をしたい熟女の場合、出会い系サイト上で登録できるプロフィールに「割り切った関係を楽しみたいです。別苺」と記載していたり、男性と交わすメッセージで「割り切りでどう?」のように提案したりすることがあります。
出会い系サイトは地方や郊外に住む女性であっても、売春相手を見つけることができます。そのため前述のような吉原や鶯谷、飛田新地などの風俗店で働けない女性は、出会い系サイトを利用して売春相手を見つけることがあります。
ただ、出会い系サイトもテレクラと同様に、直接会うまでお互いの容姿が分かりません。容姿が衰えた熟女の場合、男性と出会うことができたとしても、男性が女性の容姿に落胆して逃げてしまったり、セックス後にお金を支払わなかったりすることがあります。
男性客がお金を支払わなくても、女性は警察に相談することはできません。違法な売春を試みていたことがバレてしまうためです。
魅力的な男性と出会える「交際クラブ」
「熟女の売春」という言葉を聞くと、「容姿の衰えた女性が、熟女好きな男性客を見つけて生活を何とかしのいでいる」というイメージをもつ人は多いです。
しかし女性によっては30代や40代になっても綺麗な容姿を保っており、売春で高収入を得ていることがあります。このような女性は少数派ですが、実際にいるのです。
容姿が良い中高年の女性は、売春をするために「交際クラブ」を利用することがあります。交際クラブは「男女のデートをセッティングしてくれるサービス」です。交際クラブの多くは会員制となっており、クラブの運営スタッフが登録者に異性を紹介してくれます。
交際クラブは一見すると、出会い系サイトと似た仕組みになっています。しかし出会い系サイトとは異なり、登録には「審査」が設けられています。
審査には厳しい基準が設けられており、登録が許可される男性は経営者・医師・芸能界関係者・弁護士など、「高収入な人」や「社会的地位の高い人」が多いです。
また、女性はタレント・グラビアアイドル・一流クラブのホステス・CA(キャビンアテンダント:客室乗務員)などの、「容姿が良く、マナーを身に付けている人」が登録しています。
交際クラブはあくまでも「デートをセッティングする段階」のみに関与しており、「デートの内容」や「2回目以降のデート」については関わらない姿勢をとっています。しかし実際には交際クラブでの出会いをきっかけとして、売買春に発展することはよくあります。
交際クラブを利用する女性は、割り切りでのセックスをしたり、通称「パパ」と呼ばれる愛人を見つけたりすることがあります。
交際クラブを利用する男性は、前述のように高収入な人が多いです。また、交際クラブに登録する女性も容姿が良く、男性に人気の高い職業に就いている、もしくは過去に就いていた経験をもつ人が多いです。
そのため交際クラブから発展した売買春でやり取りされるお金は高額であることが多く、男性は「女性とのセックス1回につき、5万円」ほどを支払うことが相場となっています。
男性はこのお金を「交通費」という名目で女性に渡します。あくまでも「セックスの対価として、お金を支払ったわけではない」という建前をとっているのです。
このように交際クラブでの売春は高額になることが多いため、女性は中高年であっても十分に生活できる収入を得られる場合が多いです。
売春を行う熟女の実態
中高年の女性は「生活に困ったため」や「性欲を満たすことができないため」などの理由で売春を始めることがあります。そしてソープランドやちょんの間などの風俗店やテレクラ、出会い系サイト、交際クラブなどで売春をすることがあるのです。
以下では、売春をする熟女が実際どのような生活を送っているのかについて紹介します。
鶯谷の熟女デリヘルで働くユミさん
前述した東京の「鶯谷」は、「熟女デリヘルが盛んな地域」として人気があります。ユミさんは52歳の女性で、10年ほど前から鶯谷の熟女デリヘルで働き始めました。
風俗業界は「40歳」がボーダーラインとして考えられています。40歳を過ぎると徐々に男性客からの指名が少なくなり、風俗嬢としての生活は難しくなります。そのため風俗の仕事をしている女性は40歳までに、風俗業界以外の仕事を探す必要があるのです。
ユミさんは20代の後半から、風俗店で仕事を始めました。ユミさんは25歳のときに、工場の仕事で出会った男性と結婚しました。旦那さんや両親からの強い希望で、ユミさん夫婦は一戸建ての住宅をローンで購入しました。
しかし旦那さんの収入は生活をやり繰りするために十分ではなく、住宅ローンが家計を圧迫するようになりました。そのためユミさんは、風俗嬢として働くようになったのです。
ユミさんは仕事をするにあたり、スーパーのレジ打ちや事務の仕事なども検討しました。しかし収入の効率を考えると風俗店は魅力があり、ユミさんは風俗嬢になることを決断したのです。
若い頃のユミさんは、旦那さんに「事務の仕事を始めた」と嘘をついて風俗店で働き始めました。子供の世話をしながら空き時間で風俗店の仕事をこなし、ユミさんは月に20万円前後の収入を得ていました。
住宅ローンの返済金を毎月支払っても少し貯金をすることができ、当時の生活は上手く成り立っていました。
しかし30歳を過ぎると、ユミさんの容姿は衰えるようになりました。そしてそれに伴い、風俗店での収入も少しずつ低下しました。ユミさんはローンの返済をするために風俗の仕事を続けましたが、男性客からの人気が落ちてきたことから、ときどき店を移るようになりました。
そして40歳を過ぎてからは、ますます仕事がなくなりました。ユミさんは熟女が売りになる鶯谷の熟女デリヘルで働き始めて、現在に至ります。
鶯谷にはさまざまな人妻デリヘルや熟女デリヘルがあります。これらの店における料金相場は、60分で2万円ほどです。ただこれは、「容姿の良い人妻女性がセックスを行う場合」の料金です。容姿が衰えた女性の場合、60分で1万~1万5千円が相場となっています。
余談ですが、前述したように鶯谷のデリヘルは他地域の風俗店とは異なり、セックスをサービスとして提供することが黙認されています。そのため店の料金体系も、「本番サービス(セックス)を含めた料金」が一般的になっています。
ユミさんは40歳を過ぎてから鶯谷の熟女デリヘルで働くようになりましたが、60分1万2千円で勤務しています。ユミさんが60分で1人の男性客とプレイした場合、「1万2千円の半分」がユミさんの収入になります。つまりユミさんは1人の男性客と60分セックスをして、6千円を得られることになります。
40代前半の頃、ユミさんは1日に1~2人の男性客とプレイすることができました。つまり日給で6千~1万2千円ほどです。
しかし50代に入り、ユミさんを指名する男性客がゼロの日が出てきました。しかしそれでも1日出勤しているとフリーの男性客(風俗店で特定の女性を指名しない男性客)を対応させてもらえることがあるため、ユミさんは熟女デリヘルで働き続けています。
デリヘルに勤務する女性スタッフは普段、「待機所」と呼ばれる部屋で待機しています。そしてプレイすることになると、男性客が待つラブホテルへ向かいます。鶯谷の熟女デリヘルは多くの場合、山手線「鶯谷駅」周辺の雑居ビルに待機所を設けています。
男性からの指名がなかったり、対応する男性客がいなかったりすると、デリヘル嬢(デリヘルで勤務する女性スタッフ)は待機所で時間を過ごすことになります。ユミさんは50歳を超えてから、待機所で過ごす時間が増えました。待機所で漫画を読んだりゲームをしたりしながら、ユミさんは男性客からの指名を待つ生活を送っているのです。
ユミさんは最近、男性客にペニスを挿入されるときに、少し痛みを感じるようになりました。しかしこのようなことがあっても、ユミさんは「ローンの返済が済むまで、風俗の仕事を頑張ろう」と考えています。
交際クラブで収入を得るカナさん
現在43歳の女性であるカナさんは、交際クラブで男性とデートやエッチをすることで収入を得ています。前述のように年齢を重ねると収入が減り、生活に困る風俗嬢がいる一方で、カナさんは交際クラブを通して「生活をするために十分な収入」を得ています。
カナさんは高校を卒業してから大学に入学せず、就職の道を選びました。しかし就職活動はなかなか上手くいかず、当面の生活費を得るためにアルバイトをすることにしました。カナさんはその頃に、地元で人気の「高級クラブ」でアルバイトをするようになりました。
このクラブでは、男性客は店のスタッフであるホステスと、会話やお酒を楽しむことができます。カナさんはホステスとなり、男性客の接客を担当していました。カナさんはここから、「水商売は楽しい」と感じるようになりました。
カナさんが働いたクラブは地元では評判が良く、経営者や弁護士、医師など、「社会的地位の高い男性」がたくさん来店する店でした。
カナさんは若くて容姿が良く、明るい性格だったため、このクラブで人気のホステスになりました。
また、カナさん自身も「普段は出会えない男性と話すことができて楽しい」「お洒落な服を着て仕事できることが楽しい」と感じていました。
カナさんはホステスとして、月に30万円ほどを得ていました。一般企業にOLなどとして就職した同年代の女性と比べて、カナさんは倍くらいの収入を得ていたのです。
さらにカナさんは「20時~翌日午前1時の勤務」が基本であったため、5時間ほどの勤務時間で上記の収入を得ていました。
「勤務時間が短くて、仕事も楽しい。ホステスの仕事は私に合っている」とカナさんは感じました。
カナさんはホステスとして働き続けて、25歳の頃には店を任されるようになりました。いわゆるクラブの「ママ」として、他のホステスの管理をしたり、仕入れなどを行ったりするようになりました。
カナさんは30歳を過ぎる頃まで、そのクラブを経営しました。しかし徐々にカナさんの体力は衰えて、店の経営を大変と感じるようになりました。そこで体力の衰えを理由にママとしての立場を退き、「もう一度クラブのママとしてではなく、ホステスとして働こう」と考えました。
銀座でホステスとして働く
カナさんは今までの経験を活かして、「東京の銀座でホステスとして仕事をしよう」と考えました。カナさんは30歳を過ぎても同年代の女性と比べて若々しさを保っており、これまでの経験から「男性客との接し方」もわきまえていました。
銀座には「一流のホステスが働く高級クラブ」がたくさんあります。カナさんは「私は銀座の一流クラブでも通用するはずだ」と考えたのです。
しかしカナさんは銀座にある高級クラブの求人に応募しても、採用してもらうことができませんでした。
銀座の高級クラブでは「即戦力になるホステス」、つまり「店で働き始めても、すぐに自分を指名してくれる男性客をもつ女性」でないと採用してもらうことができませんでした。カナさんは神奈川から東京に出てきたため、このような男性客はいなかったのです。
カナさんは面接を何度も落ちた末に、やっと時給3,000円ほどで働かせてくれるクラブを見つけました。そしてそこで、当面の生活をやり繰りすることに決めました。カナさんの収入は、月25万円前後に落ち込んだのです。
収入の減少をきっかけに、交際クラブを利用
銀座でホステスとして働くようになったものの、カナさんは収入に不満を感じていました。カナさんは「減った収入を上げるためにはどうすれば良いだろう」と考えた末に、「交際クラブ」の利用を決断しました。カナさんはホステスとして長く仕事をする中で、交際クラブの存在を知っていました。
カナさんは「交際クラブを通じて男性とエッチをすると、1回につき5万円ほど貰えるようだ」ということを理解していました。カナさんが今まで行ってきた仕事はいわゆる「水商売」で、性的プレイを行う「風俗」の仕事ではありませんでした。
カナさんは彼氏とだけしかエッチしたことがなく、セックスの技術は身に付けていませんでした。しかし「ホステスとしての経験で、男性の楽しませ方は身に付けている。交際クラブでも人気を得ることはできるだろう」と考えました。
交際クラブへ登録するためには、男女共に「審査」があります。交際クラブに登録が許可される女性は、綺麗な容姿だけでなく、「礼儀・マナー」「教養」なども身に付けている必要があります。交際クラブの審査は、「担当者による直接の面談」によって行われます。
ホステスとしての経験が長いカナさんにとって、交際クラブの審査に通過することは簡単でした。そしてカナさんは交際クラブを通じて、男性を紹介してもらうことになったのです。
交際クラブの活用で、収入が安定
カナさんは交際クラブで紹介してもらった男性とデートをして、ホテルへ行ってセックスをするようになりました。デートでの費用は全て男性が支払ってくれるため、カナさんはお金を払わずに食事やホテルでのエッチをすることができました。さらにセックスを終えた後には男性が「交通費」として5万円などの金額を支払ってくれるため、カナさんの収入は伸びました。
ホステスの仕事に向かう時間は夜の20時からであったため、カナさんは昼間の時間を利用して交際クラブで知り合った男性と会うようになりました。
カナさんは常に「3~4人の男性と定期的に会う関係」を作り、収入を安定させました。ホステスの仕事と交際クラブでの収入を合わせると、カナさんは月に100万円近くの収入を得られるようになりました。
カナさんは現在ホステスの仕事を辞めて、交際クラブで知り合った男性とのデート・エッチのみで収入を得ています。それでもカナさんは月に60万円前後の収入を得ており、比較的時間にも余裕のある生活を送っています。
ただ、カナさんは今の生活に満足しながらも、将来に不安を感じています。カナさんは「女性が男性から魅力的に思われるためには、容姿を磨き、明るく振る舞う必要がある。
私は今までこの2点について、力を入れて頑張ってきた。しかし今後さらに年齢を重ねると、容姿を保てないときが来ると思う。そのときに備えないといけない」と考えているのです。
また、カナさんは「結婚」も視野に入れています。
カナさんはホステスという「水商売の職業」であることから、男性から結婚相手として考えられることがあまりありませんでした。カナさんは男性から、あくまでも「遊び相手」として考えられていたのです。
しかしカナさんは今後、「男性の生活をしっかり支える姿勢を見せることで、結婚したい」と考えています。
セックスレスから売春を始めたユリカさん
ユリカさんは36歳の女性で結婚しており、旦那さんと小学生の子供が1人います。旦那さんは一般企業に勤めており、平日は21時頃に帰宅して食事や入浴を済ませて、24時には就寝します。ユリカさんは専業主婦として、家事や子供の世話を行っています。
いわゆる「普通の家庭」といえるユリカさんの生活ですが、ユリカさんと旦那さんの関係は冷えきっています。2人の間に会話はほとんどなく、旦那さんは「今日は残業で遅くなると思う」のような言葉だけで、ユリカさんはそれに合わせて「分かった」のように事務的な会話を交わすのみでした。
ユリカさんはこのような生活を送る中で、「このままの生活ではつまらない。離婚する気はないけれど、今の家庭は正直なところどうでもいい。何か興味がもてることをやってみよう」と考えるようになりました。
旦那さんとユリカさんは結婚してしばらくはセックスをしていましたが、1年ほど経った頃から「セックスレス」の状態に陥っていました。ユリカさんはもともとエッチが好きだったため、「風俗店で仕事をしてみよう」と考えたのです。
「風俗店で働こう」と考える女性の多くは、経済的な事情から必要に迫られて仕事を始めることが多いです。しかしユリカさんの場合、「セックスしたいという気軽な気持ち」が風俗店で働くきっかけだったのです。
ユリカさんが仕事を始めようと考えて最初に向かったのは、「ピンサロ」でした。ただ、店で面接を受けるとユリカさんは、「ピンサロで行えるサービスは手コキやフェラチオであり、セックスではない」ということを知りました。
ユリカさんは「セックスができる店はないのですか?」と、風俗店のスタッフに尋ねました。すると店のスタッフは「男性客とセックスすることは売春であり、違法となる。そのため多くの風俗店ではセックスをサービスとして提供していない。ただ、私が知っている人妻デリヘルでは、男性客とセックスをすることがある。良かったらこの店を紹介しましょうか?」と返答しました。
ユリカさんはこうして人妻デリヘルの店を紹介してもらい、そこで売春を始めました。子供が学校に行っていて、旦那さんが会社で仕事をしているときに、ユリカさんは人妻デリヘルの「待機所」に向かいました。
幸いなことにユリカさんの旦那さんは、ときどき転勤のある仕事をしていました。そのため現在住んでいる場所での人間関係は浅く、「近所の人に挨拶をする程度」でした。
ユリカさんは「もしも風俗店で仕事をしていることが近所の人にバレても、また旦那が転勤になる可能性は十分ある。周りの人から白い目で見られるリスクは低い」と考えたのです。
ユリカさんは人妻デリヘルで「男性客との自由恋愛」という建前のもと、セックスを楽しみました。男性客の多くは紳士的に接してくれるため、ユリカさんはデリヘルの仕事を苦痛に感じることはなく、むしろ「セックスができて楽しい」と感じました。
ユリカさんは旦那さんとセックスできないことによる性欲を、デリヘルの仕事で満たすようになりました。また、ユリカさんは「徐々に容姿が衰えている私でも、求めてくれる人がいるのだ」と嬉しく感じました。
セックスを楽しむことで、ストレス解消に
ユリカさんはデリヘルで働き始めたとき、近所の人や旦那さんにバレることを不安に感じていました。しかしデリヘルの仕事を始めてから3ヶ月ほど経っても、周りの人に知られることはありませんでした。
ユリカさんはデリヘル嬢(デリヘルで勤務する女性スタッフ)としてセックスを楽しみながら、さらに収入も得られるようになりました。ユリカさんは「服を購入すると、旦那に風俗店で働いていることがバレそうだ」と考えて、ランチにお金を使ったり、化粧品やサプリメントなどを購入したりしました。
このようにユリカさんはデリヘルの仕事を始めることで、肉体的、精神的、経済的に満たされるようになったのです。ユリカさんは風俗の仕事を始める前、冷えきった夫婦関係や変化のない日常生活にストレスを感じていました。しかしデリヘルの仕事を始めてからはストレスがなくなり、毎日が楽しくなりました。
交際相手を作り、不倫も楽しむ
さらにユリカさんは、「今の状況が旦那にバレる可能性は低い。もし見つかったとしても、大きなトラブルにはならないだろう」と確信したことから、交際相手も作りました。つまりユリカさんは、「不倫」をするようになったのです。
ユリカさんはデリヘルでの仕事を通じて出会った男性と恋愛関係になり、その男性とより情熱的なエッチを楽しむようになりました。
ユリカさんは「36歳であっても恋愛を楽しめること」や「不倫という、一般的には経験しにくい恋愛を楽しんでいる」ということに、嬉しさを感じました。男性との恋愛は半年程度で終わり、トラブルに発展することはありませんでした。
ユリカさんは「もしかしたら旦那は、私が風俗の仕事をしていることや不倫をしていることに、気付いているのかもしれない」と感じています。しかし現状でトラブルに発展していないことから、ユリカさんはしばらくこの生活を続けようと考えています。
「デリヘルの仕事も不倫も、とても楽しい。私は今まで女性としての楽しみを、あまり経験してこなかったのだ。40歳を過ぎたらさらに容姿が衰えて、今のような経験はできなくなるかもしれない。今のうちに、たくさん楽しみたい」ユリカさんは現在、このように考えているのです。
ただ、ユリカさんの行動は、少しずつ過激な方向へ向かっています。ユリカさんはデリヘルだけでは物足りなったことから不倫をするようになり、「今後もさらに風俗の仕事や恋愛を楽しみたい」と考えています。
今は楽しい時期かもしれませんが、注意しないとひとつの出来事で大きなトラブルに発展して、生活が破綻してしまう可能性は十分にあるのです。
以上のように中高年の女性は、さまざまなことがきっかけで売春を始めることがあります。風俗店や出会い系サイト、交際クラブなど、人によって売春の手段は異なりますが、熟女であってもセックスの対価としてお金を得ることがあるのです。